イナゴの大群がやってきてあたり一面根こそぎ食いつくす。
残されたのは荒涼とした灰色の大地。その荒野に立ち尽くすボク。
ボクはイナゴにさえ見向きされなかった。
ああこれは夢の話。
コロナ感染症対策のため今日まで免業。
起床も1時間遅く朝までが長い。
起きて、朝食を食べたらワークシートが配られる。
そこには工場内の掃除をしている人物のイラストが描かれてあって、注意すべきことを記載せよとの課題。
ボクは、「この人マスクをしていない」と書いて提出した。
入浴と個別運動がある。たった二つの日課があるだけで1日がずいぶん早く過ぎていく感じがする。
昔「訪問看護が来る月曜が唯一の生活の楽しみ」と言っていた彼の言葉が身に沁みる。こういう気持ちで呟いていたんだなあと。
個別運動は、動物園を思わせるコンクリートの壁に囲われた檻小屋。上部には金網。屋上から看守がうろうろチェックしてくる。気にしない。ボクらは見られるのが仕事のようなもんだから。
フレンドリーに話しかけてくる刑務官もいるが、緊張してしまう。この身に覚えのある緊張感。学生のとき、野球とかサッカーとかの団体球技やら、柔道とか身体接触系競技の同級生と話すときのそれとよく似ている。バレーとか水泳とかにはない圧迫。(だからボクが選んだのはバドミントン部だったんだけれど)。
人なつっこい刑務官とのぎこちない会話をこなしながら、スクワットして腕立てしてストレッチ。残り10分の告知の号令があれば「夏のタイムマシーン」を歌いながら徘徊。フルで歌い切れば10分が過ぎていく。
回覧新聞でマリウポリの惨劇に「ああ〜」となり、佐々木郎希の躍進に「わあ〜」となる。動く戦争は見たくないけど、動く佐々木は見てみたい。
人間の屑みたいなやつはよく見かけるけれど(自分も含めてね)、その思考、世界観を表現しきった小説ってあんまりないから、貴重だなあと思う。