2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧
手紙を書き終え発信日を待っていたら新たに二冊の差し入れが届きました。重ね重ねのありがとうを込めて一枚追伸いたします。 「まとまらない言葉を生きる」はいちいちに全部頷けました。マイルドな武田砂鉄だなあと。こういう本がちゃんと重版になっているこ…
今日は日曜日。八月の空にしては控え目な太陽。雲におされている。隙間を埋めるように吹く風が心地いいです。 スケジュールはガラ空き。独房ではテレビもあり自由に見れるんですがほとんどつけません。 CMが入ったり同じ場面がくり返されたり、自分のテンポ…
ご無沙汰しています。 いかがお過ごしですか。 こちらは…ここは水戸刑務所です(知ってますよね)。 水戸刑務所三舎一階29号室です(知ってませんよね)。 判決は1年8ヶ月でした(知りたくなかった)。 果てしないほどに先は長いです。 永遠なののか 本当か …
朝起きて気分がいい。 気分を良くしてる場合じゃない。こんな場所に馴染んじゃいけない。ボクは憂鬱さを探す。 工場へ出役してしまえば、不愉快はいくらでも見つかるから気にしなくていいのだけれど。 金曜なのに今日も差し入れの本が来ない。案の定早速絶望…
5日ぶりの工場。 運動時間は皆談話に興じる。人は皆人に飢えている実態。なんだか涙ぐましい。 疲れてしまって作業後、部屋に帰って来ても本が読めない。日記も手紙も書く気が起きない。言葉との相性がよくない日がある。文字欲がなくなる連休明け。こういう…
来し方を眺むれば、かつて夏といえば、海、酒、男の裸…即物的、現実的、具体的なことだけがボクを満たし前に進めてくれていた。 ここにきてやることのない連休。 冷房のない環境。 八王子でも、府中でも学んだはずだったのに。退屈な時間のデジャブ。 済ませ…
「てんけーーーーん」と号令がかかれば刑務官が居室前を巡廻してまわる。 受刑者は部屋で廊下側を向いて座っていなければならない。逆に言えば、座っていればいいだけなのだが、そのたかだか数分程度の座りの指示も守れずに「座ってろ!」「番号は言わなくて…
部屋にはテレビがありますがほとんどつけません。ニュース放送でさえも疲れてしまうから。9歳のプロ棋士誕生!とかやってても「この子はこれから先の人生でどんなに苦労していくことになるんだろう」と未来の被害者のように思えたり、「この子が自分の歳にな…
ボクは5月にアキレス腱を切るというアクシデントを起こしまして今月頭までギブス生活でした。(折り合わなさすぎて、ついに切れた)。今も松葉杖を使っています。転ばぬ先の杖ならぬ、転んだ先の杖です。懲役は座っての作業なので(工場で洗濯バサミの組み立…
お元気ですか。 お久しぶりです。 ボクは今、水戸刑務所にいます。 知ってますよね(笑)。だって手紙と差し入れ本届いてますから。 実は、手紙は6月中頃に届いていたんですが、本はまだ所内の会計課にとどまった状態で手渡されていません。何を送っていただ…
朝から誰かが怒鳴られている。どうやら回覧新聞を部屋に隠し持っていたらしい。高齢受刑者なんだろう。呆けたつもりで窮地を凌ごうとしている。たまに耳が遠く聞こえないふりをする者もいるが、追求の手は弱まらない。 刑務官のヒートアップしていく怒号。朝…
山の日ですね。おやつはアイス。クーリッシュのバニラ味。口の中だけ冷やしてくれる。ありがたい。 今は8冊の本をザッピングしながら読んでいる。 誰かが「一冊ずつ没頭して読むよりも何冊かを並列に読み進めた方が脳が活性化する」って言っていたから。落ち…
コンタクトレンズをしない土曜と日曜。視界のぼやけ具合がなんだかちょうどいい。 だんだんと…でも確実に矯正指導日の感想文がやっつけになっていく。まあ仕方ない。 読書感想文だけはちゃんとしようと選んだ本は「レ・ミゼラブル」。 一片のパンを盗み19年…
鳥の声が聞こえる。相変わらず和洋折衷種々様々喧喧諤諤和気藹々。聞き分けられない。どんな名をした鳥なのか一つもわからない。前の刑務所の時もそうだった。草木、鳥、星、雲…一つでも知っていれば空想の種にでもなったのだろうに。学ぶこともなく塀の向こ…
昼休み、ゆるくぬるい雑談タイム。テレビの話をしていても、本の話をしていても、ニュースの話をしていても最終的には、薬、詐欺、女を落とす…そんな悪だくみにたどり着くのはどうしてだろう。 血気盛んな20代。30代はまだまだどうにでもなると悪いことをや…