2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧
そうだ!このことを伝えなければ…そうそう、刑務所には官本というシステムがあって、移動図書みたいな形で各工場を本棚が巡ってきます。その図書に塚本さんの「NHKをクビになった本」があったんです。 思わず手にとり借りました。そして読みました。 同じよ…
次点は「うつ病九段」。 うつの人が死を思うとき、「よし!」と意気込んで飛び込むんじゃなく、「ふわっ」と吸いこまれるようにホームに向かうという描写がとてもリアルでドキッとしました。ボクはうつの経験はないんですが、この「ふわっ」とした感覚には心…
暑中お見舞い申し上げます。 いかがお過ごしですか。 この週末の水戸の空は涼やかな風が吹き抜けています。 夏が小休止したみたいに心地いい。 散歩に出たくなるような陽気…もちろん叶うはずもなくこの蟄居の日々は、月曜に提出しなければいけない矯正指導用…
工場に来てからというもの、他の受刑者や刑務官から「淘汰さんは真面目だからねえ」とよく言われる。シャバではあまり言われることのなかった言葉だ。その言葉を聞きながら、不具者が生き延びるためには、真面目でいるしかないのだと思ったりしていた。 休憩…
洗濯バサミの組み立て作業。 今日はダブルのバネだったので手首が死んだ。 世の中にはこんなにたくさんの種類の洗濯バサミがあるんだなあ。 三行しか日記が書けないくらいに疲れた。 蓜島康二/町まちの文字 全然関係ないけど、ボクは自分の書く字がわりと好…
大粒の雨が降っている。 体育館までコースを変更させる程の土砂降り。 雷がゴロゴロピカピカ。 中庭の薔薇が強く打たれている。 花開き世界を閉ざす。そういう咲き方だったなあ。 手付かずの人間性は美しくはあるが、それは時に…いやほとんどの場合に厄介で…
車の盗み方、売り捌き方、盗難車の手に入れ方、それが摘発された時の逃れ方。裏社会の悲喜交々を語るおじさま方。この人たちまた出たら絶対やるんだろうなあ。善悪の境界、倫理の間の向こうとこちらを自由に行き来する者たちがいる。そういうことがあり得て…
今は… 朝日に目が覚めたら6時35分の起床まで読書。時計がないのでわかんないんですが、そこから小一時間は読んでんじゃないかなあ。朝食後、工場に出て7時40分から作業が始まります。午前中に30分間、グランドか体育館に行き運動。昼食後休憩をはさみ、午後4…
暑中お見舞い申し上げます。 毎日暑いですねえ。 こんなに暑いと伸びちゃいますよね。 伸びきっちゃいますよね。 伸びて切れちゃいますよね。 ボクはアキレス腱を伸ばして切ってしましました。 けれどそれは5月の出来事で大過去の話です。暑さが原因ではあり…
ハウスダストにも馴染んでしまいもうくしゃみは出ない。 運動場で、あの日アキレス腱を切ったカーブを松葉杖で歩く。もう誰もリレーをしていない。囚人の数少ない余暇をボクが奪ってしまったのだろう。そんな感傷に浸っていたら診察に呼び出された。途中離脱…
朝晩はくしゃみと鼻水が垂れ流れる。つらい。食器口から吹き込んでくる風のせいかもと閉めてもらうがあまり効果はない。体がこの舎房に適応するのを待つしかないのだろう。「神様、この鼻水を止めてくれたら改悛します」と誓ってみた。そう、ボクはいつも良…