硬い紙のずた袋をひっくり返し、机の上にクリップをぶちまける。
ざーーーーっと迫力の音を立てて勢いよく積み上がるプラスチックの破片たち。総計2500ピース。ここから1250個の洗濯バサミが出来上がる。
ボクのペースだとこれを全部処理するのに丸二日。二日間でこのひとやまがボクの生産性。わかりやすい分寂しくなる。
「何を考えながらやっています?」と周りに尋ねてみたら「歌…」「エロいこと」「差し入れ来ないかなあ…」そんな答えばっか。独創性のない場所では独創性のあるアンサーは生まれない。
大量に届くバースデイカード。6日遅れのお祝いたち。素直にアイムハッピー。その中に混ざる母親からの手紙。彼女は文章でも散々にこき下ろしてくる。笑えるほどの分かり合えなさ。感動的ですらある。
不気味に染まるピンク色の空。秋の夕暮れ。
気分の悪くなる手紙でもどうしてか何度も読み返してしまう。何度も読み返すうちに痛みは薄れていくから。
ぐっすりと眠れればいいなあ。
塔山郁/薬は毒ほど効かぬ
大麻の裁判が事件だとスリリングさに欠けるんだよなあ。手に汗握らない。