収監ダイアリー

虚栄心、自己治療、責務、手段、自己実現。晒す限りは活かしたい。

2022年7月1日

夏の気配がしてきております。

いかがお過ごしですか。

就職決まったようでおめでとう。

どこで?

なんの?

???

今度直接会った時にでも仕事にまつわるエトセトラ、聞かせてください。

「もうやめましたよ」ってのは勘弁…いやまあそれもありかあ。

何はともあれひとまずおめでとうございます。

 

NCT127のライブを最後に韓流卒業かあ…送ってくれた手紙を読み返しながらこの手紙を書いています。

先日、新聞にBTSの兵役の記事が載っていて、メンバーの写真もあったんだけど、もうすでに名前が思い出せなくなっていた。

花の色は移りにけりな…忘るるは易き。悲しいもんです。

それにしてもエンタメはもはや日本より韓国だな。

芸術、芸能を大切にしようとする姿勢。パッションという次元ではなくシステムとしての完成度で(もちろんその背景には経済的メリットという泥臭い金の話が隠れているのでしょうが)それにしても大きく差がひらいてしまったなあ(こういう発言が分断を生んでしまうので良くないのだろうけど)。

今、観たい映画は「ベイビー・ブローカー」とか「三姉妹」とか。孤独で寂しい生活をしている者には、こってりとした人間模様を描く韓流映画はうってつけなようです。

 

話を戻します。

大学も卒業ですかあ。

ボクのキャンパスライフはバドミントンに明け暮れた日々で、とにかく暇さえあれば体育館でラケットを握りシャトルを追いかけた青春でした。

4年生の冬になって、そういえば卒業が近づいてきたなあと気づき、慌てての就職活動。余暇に集中しすぎるキリギリス具合。青春原理主義の理はあの頃すでに萌芽していたようです。

社会学部だったんですが、ゲゼルシャフトゲマインシャフト…ボクが学んだことは、ボクは資本主義に支えられた一般企業で働くのは無理だという現実でした。これについての自覚は、もう自信と言っていいほどの確信です。

福祉学科向けの求人にあった精神科のソーシャルワーカーの募集に社会福祉の勉強はいっさいしてこなかったのにどの面下げてエントリー。バイト感覚にも程遠い、受診のような心意気で挑んだところ見事採用され、新社会人になることできました。オッケー!人生甘いもんです。

それからこの業界でもう20年…はやいなあ。

「福祉をやりたい!」なんて特に大きな志があったわけでもなかったし、利他的センスも皆無。だけど、どこかマイノリティに惹かれるものがあったんだとは思います。きっと天職なんだろうなあ。…怖いなあ。

ボクは「やれません。できません」が苦手なノーと言えないソーシャルワーカーだったので(にもかかわらずノーと言わざるを得ない場面が多い現場が歯痒く、いつも腹を立てていたので)、若い人たちが限界を恐れず突っ走れるような支援環境を作りたいなあと思っていて、ささやかな野望にしています。

 

締めは、映画の話に戻します。

ボクは「ショーシャンクの空に」という映画が好きで、今日はあの映画のラストシーンみたく粒の大きな光る雨が降っています。カタルシスですねえ。だけど、ボクはあの主人公のように脱獄はせず、普通に出所するつもりです。アキレス腱を切ってしまい、脱獄はおろか普通歩行すらままならないからです。出る頃には小走りくらいはできるようになっているはず。しばしお待ちください。

限りあるモラトリアム。お互いに頑張りましょう。

それでは良い夏を!

 

追伸

軍艦島に行ってみたいとのこと。

行きたい場所がだけが積み上がっていく…コロナ禍の社会は刑務所と変わらないようです。

ボクはここを出たら今度こそ行こうと決めている場所があります。ひとつは「養老天命反転地」。もうひとつは「赤目四十八瀧」。もうひとつは「流氷」。もうひとつは「高遠の桜」。さらにもうひとつは…きりがない。そして今度は大久保に住もうと思っています(新大久保でも可)。

 

 

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宮沢賢治注文の多い料理店

一日一賢治。今日は「狼森と笊森、盗森」。