収監ダイアリー

虚栄心、自己治療、責務、手段、自己実現。晒す限りは活かしたい。

2022年7月23日

暑中お見舞い申し上げます。

毎日暑いですねえ。

こんなに暑いと伸びちゃいますよね。

伸びきっちゃいますよね。

伸びて切れちゃいますよね。

ボクはアキレス腱を伸ばして切ってしましました。

けれどそれは5月の出来事で大過去の話です。暑さが原因ではありません。

きっと老化です。いやですねえ老化って。

侑子さんは最近老化していますか。

 

変な挨拶になってしまいました。すいません。

本の差し入れありがとうございました。

星野道夫の「熊を追い、熊に焦がれて、熊に死ぬ」…熊を愛する者として正しく生きる姿に感銘を受けました。賢司の「なめとこ山の熊」を地でいく人生にボクなんてまだまだだと。ボクは覚醒剤は好きだけど、北朝鮮やイランまで追いかけて最期はオーバードーズで朽ち果てるなんてちょっとトゥーマッチ過ぎるなあ。ほどほどの心がけを学びました。節薬人生が理想です。

 

本のお礼に何か面白い話題でも提供できればいいのでしょうが、あいにくアキレス腱も今はつながり、治りかけておりまして、右足でもまたバチンとやればいいネタになるんですが、そこまでの甲斐性もなく(そう考えるとブッダのために私を食べてと火に飛び込んだあの兎はすごいなあ。卯年の人間としては頭が下がる)…

 

昔話をしましょう。

保釈中のZoom飲みからもう半年が経つんですね。楽しかったなあ。

断裂した腱が再びつながるはずだ。

稲葉さんからビッグイシュー基金ガイドラインがハームリダクションモデルにバージョンアップしたと聞きました。

保釈中はハームリダクションの世界にこそこれから自分がやるべきものの全てがつまっていると昂ってましたが、今はちょっと冷めて来ていて…果たして日本でハームリダクションは可能なんだろうかと。収監中のメンバーと話をしているとほんと薬物使用経験者が多くって(薬物で捕まった人でなくても大体が経験している)、ちょっとあてられてしまいました。薬物が直接的に事件を誘発することはあまりないのでしょうが、事件の周辺と薬物との親和性の高さは疑いようがないなあと。こんなアングラな現実を前にハームリダクションを高らかに叫んでも、伝わりにくいなあって。ボクごときを受け入れることができない社会には荷が重すぎますよね。

使用者の総数を減らすためにはハームリダクションが有効ですという打ち出しがどうも潔癖すぎに思えてしまうボクはきっと刑務所の中で汚れち待ったのでしょう。

ハームリダクションが世直しの一翼を担うというグッドストーリーもいいですが、それよりも何でわかんないけど手を差し伸べてしまうんだよねえというファンタジーに今は興味があります。焦点の当て方の違いだけなのかもしれませんが、そんなソーシャルワークがしたいなあと。

 

思い出話をしていたら未来の話になってしまった。

老化は嫌だけど、未来は好きという人間らしい矛盾に満ちています。

さて、今の話をしましょう…(続く)

 

 

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ロジェ・カイヨワ/石が書く

これも自分じゃ手に取ることのなかった本だ。読みごたえ、見ごたえある本だった。