刑務官同士は、後輩は先輩を先輩と呼び。先輩は後輩を先生と呼ぶ、とても変な世界観である。
まあどうでもいいことであるがなんか気になる。
今日はギブスの取り替えに県立病院へ受診だ。
40分の旅路、車窓から見える茨城は…茨城って工務店や車屋関係の店が多い。あとソーラーパネルがあたり一面広がっている。広いくせに必死な感じが日本の田舎だなあと思わせる。
今日のギブスはゆるい。ミスではなくわざとそうしているようだ。生足がひどく衰えていて老化した自分を先取りしているようで怖かった。
ついでに入浴中、鏡に映る自分の姿が父親にひどく似ていて怖さひとしお。背筋を伸ばし胸を張ろう。
オルハン・パムク/雪
生まれてはじめて読んだトルコの小説。
イスラム原理主義、世俗主義、共和主義、社会主義、共産主義、トルコ民族主義、クルド人主義…
様々なイデオロギーがさかまく中、軍、警察、情報局、テロリスト、市民がしのぎを削り暗躍する。
皆、それぞれがそれぞれのやり方で「幸せ」を掴もうとする。そこにはもちろん「他者」が絡む。
妥協のない正義ゆえに血が流れ、人が死ぬ。
主人公は「人は何かの信条を守るために生きているんじゃない。幸せになるために生きてるんだ」という。
この言葉の世界観は現代の革命とは縁遠い日本の空気に近い。
だが歳をとるにつれて社会との折り合いをつけにくくなっている自分には「幸せさえあれば十分だなんて望む奴の許に決して幸せは訪れるはずはない」というテロリストの指導者の糾弾の方がしっくり響く。
革命的何がをボクはいつも期待して生きている。