収監ダイアリー

虚栄心、自己治療、責務、手段、自己実現。晒す限りは活かしたい。

2022年5月14日

昨日手をつけれなかった矯正指導日の提出物をさくっと仕上げる。

 

「生きる知恵・生きる知識」は、ビートきよしのインタビューだった。このインタビュー…数年前に府中刑務所にいた時に聞いた記憶がある。がんばればどうにかなるという根性論。がんばってどうにかなった人のがんばればどうにかなるっていう言葉の説得力のなさよ。

「生活健康ミニ情報」は、ポッドキャストみたいなやつ。「民主主義と選挙制度」についてがテーマだった。ボクは選挙にはしっかり参加するタイプの人間だ。投票した候補者が当選することはあまりない(というかほとんどない)が、それでも自分の信条の一部を国に届ける貴重な機会だから毎回いそいそと日曜日、近所の学校へ足を運んでいた。前回の仮釈中、選挙権がないまま街角に設置される候補のポスターパネルを見て寂しい思いをした。自分の日本国民としての基本的人権が保障されていない立場を思い知った。投票はがきが届かない…日本人と認められていないということが悲しいのではなく、ここでの社会活動に参加する資格がないように思えることが悲しい。受刑者から選挙権を奪う現制度のあり方の是非についてボクはよく理解していない。出たら調べて見たいと思う。

 

あー…この新しい部屋、トイレが詰まり気味で不快だ。毎回便器のすれすれまで汚水が溜まっていく様は恐ろしい。トイレの詰まりは生活を落ち着かなくさせる。なんだか部屋が常に匂っている感覚がする。

 

 

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火坂雅志天地人

戦国時代…「義」を重んじる生き方は理解できるが「生中に生なく、死中に生あり」と生よりも死を輝かせる価値観には共感し難い。「生きてこそ」だろうと思ってしまうボクは時間感覚がまだ即物的なのだろう。

人の命の重さは時代によって変わる。乱世では軽んじられる。ウクライナを見て実感する。太平洋戦争後、戦争をしていないのは北欧の数カ国と日本だけらしい。残念ながら人類にとって戦争は日常である。日本の平和の奇跡。平和が当たり前に享受できる者ではない悲しい現実。

暴力を伴わない強さが欲しい。小学生のとき、川中島と名付けられた騎馬戦が大嫌いだったボクは悲しいかな、強さは力だと腕立て伏せに毎日励んでいる。