収監ダイアリー

虚栄心、自己治療、責務、手段、自己実現。晒す限りは活かしたい。

2022年4月12日

移送前夜。

眠れずに朝を迎えるのかと思いきや、熟睡できてしまう図太い神経。

朝一番で一階のターミナルへ連行される。

私服へ着替えて(これがまあ笑えるほど坊主頭に似合わない)、ビックリ箱にて待機。待機中の時間つぶしは、いつものように針が刺しやすそうな血管探し。

準備が整い、並んだ5人に言い渡された行き先は「水戸刑務所」。

嬉しくも悲しくもない。あー茨城かー…それだけ。

水戸の刑務官が迎えに来ている。

マイクロバスに乗って2時間半。埼玉より北に行くのなんていつ以来だろう。

暖房が効きすぎて着いてからの検温で37℃越えが2名。

全員PCR検査。鼻を突く痛み。

全員の陰性確認がとれるまで2時間以上バスの中で待たされる。

いつものようにキョロキョロしてしまい何度も注意を受ける。

刑務官の面談。

「どうしてまたやったんだ」「もっと強い意志をもて」と心から(親切心で)言い聞かせてくる。

うざい。

元来真面目な性格なはずなのに、真面目さが求められる場所で(真面目さを強いられる場面で)ふざけたり、反抗的になったりしてしまうのはどうしてなんだろう。

HIVの治療は外の病院に、眠剤トラゾドンがないらしく(一体どんな僻地なんだ)アモバンに変わる。

部屋は東拘よりもまた一回り小さい。記憶の中の八王子よりも府中よりも狭い。

トイレのタイル部分以外ジャスト3畳。まるでドヤだな。

洗剤が泡立つ。部屋の鏡に映る自分の顔が歪んでみえない。トイレ用のサンダルがある。少しでもいいところを探す努力をする。

地獄めぐりはここで最後にしたい。

ラジオ放送をオフにしてもらうも、ガンガン漏れ聞こえてきて、これじゃあ本読めなさそうだ。

今日移送されたことを手紙で報告できるのは、家族のみとのこと。身上調書なんかを書いていても、家族、家族とうるさい。どうして柄受けを家族にしないのかの理由まで書かなくてはいけない。家族がハブの役割を果たせないケースだってあるだろう。

無印良品で買い込んできた靴下、下着の上下、グレーのタオルも使用許可となる。大量のコンタクトレンズも歯ブラシも切手も使えそうだ。

NGだったのは石鹸、便箋、封筒、ポストカード。出所まで領地にてお預け。

最初の晩餐は…納豆だった。ウェルカムビーンズ。

にしても夜に納豆???

だけどさすが本場だけあって、パックを開けるときにビニールに豆がくっつこともなく、タレが変なところにピューと飛んで指が汚れることもなく、味も良かった。プライドを感じた。

夕の点検は刑務官の目視だけなので返事もせず、瞬殺で終わる。

っていうかいつも思うが点検の意味ってなんなんだろう。

納豆のせいではないが、金曜から風呂に入っていないせいで体中がべとつく。

それでも今夜はきちんと寝れそうな予感。

 

 

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よしもとばなな/サウスポイント

もうハワイに行ってマイタイを飲んだりできないんだなあ。ハワイに行けないことよりも、ハワイでマイタイを飲めないことが悲しい。今後、日本で飲むマイタイが全て悲しい味になりそうだ。