収監ダイアリー

虚栄心、自己治療、責務、手段、自己実現。晒す限りは活かしたい。

2022年4月11日

平均8時間の睡眠。土日は10時間。それに2時間の午睡つき。

かつての過覚醒との帳尻を今埋め合わせている。

喉の痛みに総合感冒薬。口内炎にオルテクサー軟膏。

医官が患部をチェックし、いつからなのか、過去に同様の症状はあったのか、他に何か違和感はないかなどの質問をしてくる。その所作に懐かしい病院勤務時代の手触りがあった。

午前中まで、いつもの作文作成収容者だったが、コロナ対策から一週間経ったため今日から作業が再開される。

コンタクトレンズをつける。ピントのぼやけた景色から何もかもがくっきり見えてしまう世界があらわれる。少し怖い。

爪が伸びて作業がやりにくい。気はすすまないが爪切りのため運動に参加。

陽気がいいせいか、前ほど嫌じゃない。

相変わらず引っ掛かりのない建物。全部直線で描けそうな景色。見るもの全てぐにゃぐにゃになってしまうトランス系のドラッグを飲ませてあげたい。

スクワットに腕立て、残り時間はひたすら徘徊する。徘徊囚人になる。

部屋に戻ると「明日、移送になった」と伝えられる。作業材料が引き上げられる。

移送の心得という説明書を渡され、それに従って身支度を整える。

私物も一式領地調べにて回収。明日に備えて髭剃りをさせてもらえる。

さようなら東京拘置所

 

 

f:id:cubu:20230922110129j:image

大島弓子/夏のおわりのト長調

ノンケ男子にはわかんないんだろうなあ。まあボクだって女子ほどこの世界感を感受できてない自信はあるけれど。