収監ダイアリー

虚栄心、自己治療、責務、手段、自己実現。晒す限りは活かしたい。

2022年6月15日

「教育だから今日は一番運動」と言われ早朝から単独運動に出る。

教育と言うくらいだからきっと薬物のことだろう。

別の棟に連れて行かれ、教室にはいる。

一人だけでのようだ。10時から12時までビデオ教材を見る。

薬物の悪影響のVTR…仕事をクビになる、離婚、家族へ迷惑をかけるなどの場面が流れるが、これって薬物のせいじゃなくて、逮捕のせいだろう。

さくっとアンケート2枚とワークブックを仕上げる。府中の時にやったやつと全く同じものだ。刑務所は時が止まっている。

そして教官は寝ている。

「これまでで一番の孤独感を覚えたのは?」という問いにボクは「捕まって留置されて誰とも連絡が取れなくなった時。あのせいで警視庁と裁判所が心底きらいになった」と答えた。

ボクには刑務所が教え諭そうとするものには、決して歩み寄ろうとしないあまのじゃくさがある。

 

これにて離脱教育のAコース終了。Bコースを希望するものは願箋を申し出るようにと伝えられる。

教官は「Bコースは好評なんですよ」と勧めてくる。好評だからと言って効果があるわけではないと思う。

所内でやる離脱教育なんて意味がない。

そう思うが、自分で何かを選んで行動を起こす機会なんてほとんどないこの刑務所生活。申し込むだけ申し込んでみようと思う。

 

 

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ユーディット・シャランスキー/奇妙な孤島の物語

つまびらかになるほど世界は狭くなる。

ノン・プルス・カルテラーこれより先、何もなしーと判じ、ひき帰る。

そんな引き際の美学にとても憧れる。