収監ダイアリー

虚栄心、自己治療、責務、手段、自己実現。晒す限りは活かしたい。

2022年5月19日

ここに来て一ヶ月が経ちましたが、早速やらかしてしまいました。

工場に配役されてわずか三日目。

他の収容者とやり合ってしまいました。

ブチっとキレてしまいました。

大バトルの末、ぐるぐる巻きに縛られてストレッチャーで運ばれてしまいました。

あー最悪…

しばらく(もしかしたら出所まで)工場には戻れないかもしれない…

まあ、やり合ったといっても運動中のリレーのことでして、ブチっといったのはアキレス腱です。

搬送先の整形外科で左足首をカチカチにギブスで固定されています。

さっそく塀の外に出れたのに心は踊りません。

不甲斐なき我が好戦性。実力なきチャレンジはろくな結果を生みませんね。

車椅子でグランドから連れさられ退場していくボクはキャプテン翼の三杉くんのようにキラキラはしていないでしょう。

最近、心と体の乖離が激しい。老化との折り合いを先延ばしにしてきたつけが来たようにも思えます。

部屋では這いつくばって暮らしています。四つ足からのやり直し。

茨城は地震の多い土地ですが、地面が揺れてるのか自分がふらふらしているのか、とにかく毎日がスリリングです。

寝たきりの病床からのぞむ空はやけに鮮やかでとびきりに美しい。

そろそろ体も鍛えどきなのかもなあ。

無事故無違反で過ごすというとても謙虚な目標で所内生活に挑んでいたんですがそれすら無謀だった。これまでボクは「ボクは病める日本社会の被害者だ」と信じて疑うことはありませんでしたが、もしかして…「そもそもの原因はオレなのか?オレの方だったのか???」と弱気(正気)になっています。

つらい時には小泉今日子の「夏のタイムマシーン」を口づさみます。

夏のタイムマシーン 明日の私に伝えてよ 一生懸命泣いて 一生懸命悩んで 一生懸命頑張っているから🎵と自分を励まします。

タイムマシーン…タイムマシーンって記憶と想像力でできているような気がしています。

豊かな記憶と逞しい想像力。この二つさえあればそこそこ勝手のいいタイムマシーンを手にしてるようなもんだとボクは感じています。

保釈中は楽しかったです。出所後はかなり楽しみです。目の前の現実はいつも混沌とした抜け道のないカオスなので過去と未来はいつもシンプルに楽しくあるように心がけています。

塚本くんといるととてもシンプルな自分でいられるのでありがたい。

今後ともよろしくお付き合いください。あわよくば親友の座に据え置こうと目論んでいるので、以後お見知り置きを。

分類審査会とか、教育とか、訓練とか…色々と伝えたいエピソードはたくさんあるんだけれど、今回はアキレス案件がナンバーワントピックでした。トービーコンティニュー。

 

追伸 木曜日の夕食は定番のカレーです。あまりにも旨くて来週またたべれると思えば頑張ろうという気になります。

 

 

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斎藤環/ひきこもり文化論

ひきこもりは肯定されなければいけないが同時に治療の対象でもある

健全な不登校もあれば病的な不登校もある

過剰な問題視で社会不安を煽ることも、ただ問題性を否認することで解決を求める当事者を疎外することも正当な態度ではない

「いかに抜け出すか」ではなく「いかに豊かにひきこもるか」

ひきこもりについては単純な否定も肯定も拝したところから常に出発だ

…ひきこもりについてでなく、まんま依存についての本のように読めた。