収監ダイアリー

虚栄心、自己治療、責務、手段、自己実現。晒す限りは活かしたい。

2022年4月30日

珍しく薬の夢をみる。

引越しの準備をしていたら、業者のお兄さんがやってきて「一緒にキメセクやろうよ」と誘ってきた…

新井薬師の街を散歩していたら一軒屋のドアが突然あいて顔を見せた男が「乱交やるけどどう?」と声をかけられた…

デイビゴを飲むと悪夢をみることがあるって聞くけど、アモバンに催淫作用なんてあったっけ?

起き抜けにもう頭がへろへろになっている。

アディクトの大半は支援環境から逃げ去った。そういうものだ。しかし驚くべきことになおも支援環境に踏みとどまって黙々とスリップし続けようとする一部のアディクトもいた。そして彼らの情熱にほだされ支援し続ける支援者もいた。今もいる。しかし、そこは全くもって安寧とは程遠いあり様であり、底なしの蟻地獄にも思える。薬をやめて、薬への思いと付き合い続ける旅は、もう演歌の世界なんだなあ。泥臭い。ボクの回復に求めるイメージとは違う。違いすぎる。もっと軽やかにスタイリッシュでなければ。

 

二度寝も薬の夢だった。

30メモくらいをペンに詰め込む。水で解こうと吸水すると、ポンプの中で結晶たちが花火みたいに弾けだす。ペンが線香花火に変わる。どんどんと火花の勢いが増す。とうとうペンから打ち上げ花火が飛び出す自体に。ケイティ・ペリーのPV見たいくクライマックスご一緒に白い閃光がとても眩しく綺麗だった。

外の景色は変わらないから、せめて夢の風景くらいは変化が欲しいから、こっちの夢はビジュアル的に斬新でよかった。

 

訓練最終日には配役審査会が待っている。訓練の集大成的行事だ。秩序の巨人たちに裁かる混沌の我が身を想像すると気が重い。

シャキッと背筋を伸ばした「キヲツケ」の姿勢で立つことができるだろうか。

「あなたみたいな人はもう日本から出ていってください」そんなひどいことを言われたって話も聞く。叶うもんならボクだって非処罰化の施策に取り組む国に行って安心して生きていきたものだ。

「今度こそ覚悟を持って薬を断ち切ろうと思います」なんて日和っちゃうんだろうなあ。魂を売る気分だ。そんな自分を想像すると反吐が出そう…反吐にして全部吐き出してしまおう。

仮面をつけて得られる自由。仮面を外して得られる自由。どちらも自由に変わりはない。けど自由に生きるってとても不自由でもある。

 

寝ぼけまなこに映る黒い物体。見たこともない虫だ。気づかれたことに気づいたようで、枕元をもぞもぞとドアの方に向かって逃げていく。食中毒をおこしたゴキブリみたいなのろい動きに殺してしまおうという気も湧かない。

この虫もボクも目指した場所ではなかったが、たどり着いた場所がここだったってことだけのこと。

 

 

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石川直樹/全てを装備を知恵に置き換えること

自分よりも一回りも若いのにこんなに人生の本質を理解した立派な文章を書いている現実に…打ちのめされるほどボクは若くなくなってしまった。素直さは美徳であるんですね。