ピンクな夢を見た。
ブッキーと市原隼人と3Pする夢だった。市原隼人がやけにノリノリで面食らう。
こんな場所でも性欲は止まらない。
立ち止まって考える。
ノンケとゲイと、収容施設ではどっちが大変なんだろう。
刑務所では女性を見かける機会は少ない。ほとんどないと言っていい。
だから異性愛受刑者は、ちらっと女性を見かけただけでもその姿は目に焼きついてしまい、ずっと覚えてしまうらしい。
壮絶なエピソードだ。
ゲイにとってはそういう禁断症状は預かり知れない体験なのではあるけれど…
だからと言って居心地よい訳ではない。
風呂なんか裸見たい放題でいいよねって思われるかもしれないが、心情としては「うほっ!ラッキー」というより、「なんか申し訳ありません」って感じでゆっくりリラックスできないのです。
故に、芸能人が出てくるようなピンクな夢を見てしまうのです。
そして抜け毛がひどい。体もだるい。週2日しかない入浴さえも億劫だと感じてしまうくらいに。
時間の流れも遅い。今日は特にのろい。地球の自転はいつも同じスピードではない。こんな日はゴロゴロと繰り返し寝返りをうち、地球を早回しさせることにしている。
向かいの部屋が空いた。
ここはコロナ対策のための仮留めのフロアであり、二週間過ごした後、検査で陰性だったならば然るべき部屋へ移動していくことになる。
開け放たれたドアの向こうの空。これだけで開放感を味わえる。
午後になり、検察から上訴放棄申立通知書が届く。これで刑が確定。
ただいまからここでの時間は刑務所へ行くまでの待機期間となる。冥土逝き待ちの四十九日。
さあ、いよいよだぜ!ボクの地獄めぐりの幕開けは。
加門七海/猫怪々
ボクは猫飼いたい。