暑中お見舞い申し上げます。
台風前の曇天。何かの腫瘍のような縁起の悪そうな雲がもこもこと空を不吉に覆っています。
風はあるのに蒸し暑く汗ばんでいます。
持ち込んだ無印のTシャツも毎日洗濯するうちにどれもヨレヨレのダメージ加工へ。ヨレヨレはいいんだが、首元の汗染みの沈着はいただけない。落ちない汚れはただの柄であると思ってしまえばいいのだけれど…どうもねえ。
お元気ですか。
パリッとしない挨拶ですみません。
こちらは週末。工場での作業もなく巣篭もりの読書三昧予定。さて今日はどこの世界にトリップしようか。
トリップといえば…ここでは消灯が21時とかなり早めな就寝となるため自ずと起床も早くなり毎朝夜明けとともに目が覚めます。白白とした朝もやの中、タオルケットにくるまる我が身を眺めていると、どうしてだろうハッテン場の朝が思い出されます。強者どもの夢の跡。大部屋の乱れた一夜の惨状が目張りされた窓の隙間から差し込む朝日に刻々とあらわになっていく。そんな光景のフラッシュバック。そしてボクは「連休に向けた初夜だしきっとキメてる奴らもけっこういるんだろうなあ」という慕情におそわれるのです。羨んでも儚んでもそれは不毛。不毛地帯にトリップしても仕方ない。気を取り直し、「キメずに傷心の夜を超えた同志もたくさんいるはずだ」と憐憫でやり過ごすことにしました。
以上、お粗末なトリップ小話。失礼しました。
前回の手紙にボクのことを「何でも話せる相手」「正直にバカ話ができる相手」と評してくれましたが…そう言ってくれる人にはできる限り、期待に応えることができるようにあけっぴろげで露わでいたいという義務感があり…節操なくてすみません。
(続く)
バブルを知れずに損をしたと思ったけれど、そんなに楽しいものでもなかったのかもなあ。スキーの渋滞とか、アニバーサリーのプレゼントとか、結婚とか。
今では考えられないジャンダーの描かれ方。考えられないだけでこれが現実の過去だったのだ。そんな時代だって主人公は「女に生まれてよかった」という。