タマケン!と号令がかかる。
タマケン?タマケン?多摩圏?
作業も始まっているし誰かに確認することもできない。
なんのことかわからないまま、列に並ぶ。
一人一人脱衣所に呼ばれる。みんなすぐに出てくる。
ボクもそれにならった。
なんのことはない。チンコの検査だった。刑務所の風物詩。
「竿を上げろ」と言われ指でそっと持ち上げる。二人の刑務官が目視で異物がないかチェックする。
チンコのことを竿と呼ぶなんてなんて、少し文学的だなあ。
どこをどう見せればいいのかよくわからず戸惑い、まごつく。
作業に戻ると誰かが「今時、玉入れなんか流行んねえよなあ」とブツクサ言っている。
やる方もやられる方もいい気分じゃないよなあ。
これってお互いに人権侵害なんじゃないかと福祉職のマインドがボクに疑問を投げかけた。
市川憂人/ジェリーフィッシュは凍らない
バルーンファイト!ちょうど、中国の気球が世間を賑わせていた頃に出会う。