収監ダイアリー

虚栄心、自己治療、責務、手段、自己実現。晒す限りは活かしたい。

2022年3月28日

午前中に医務に連行される。ビックリ箱で20分ほど待たされる。神父のいない懺悔室。ボクは何を悔めばいいのだろう。

結構またされたあと診察へ。ドクターから先日の血液検査の結果が告げられる。CD4は486、ウイルス量は8万コピー。8万コピー!

これまでずっと検出限界未満だったことを伝えると「おかしなあ。薬が効かなくなってるのかもしれない。そうだったら処方を変えなければなあ。う〜ん、ただもう少し様子を見ましょう」との曖昧なアセス。ウイルス量の急上昇に比例して、観測史上最高の免疫量。一体どうなっているんだボクの体は。そして梅毒の数値も高いので投薬するとのこと。アモキシシリンカプセル250mgを28日分、一日3回毎食後2錠、計108錠手渡される。少し嬉しい。毎食後の投薬さえも一つの楽しみとなる刺激乞食なボクなのであった。

ビックリ箱で還房を待つ。聞こえるか聞こえないかのぎりぎりのボリュームでならされる誰かの口笛。落ち込んでる場合じゃないな。

 

20時から6時半まで10時間以上の睡眠。夢の中で体も心もふやけてしまう。

 

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シェリー・ケーガン/「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版

 

哲学とは、目に見えないものを信じる根拠を探す学問なのであろう。

死を哲学する本。自殺は自分の自分による自分のための死である。このフレーズが印象に残った。

死を体験として語るものはいない。だから死について考えることはやっぱり想像力を鍛えらるんだなあ。