嘆きの季節はもう過ぎた。だが笑い飛ばすにはまだ早い。
日曜は刑務所もあくびをする。ボクは何がが起きるのを待っている。
もちろん何にも起きないけど。
何も起きないのに汗はかく。ただ生きているだけで流れる汗で濡れるギブス。ふくらはぎのあたりがねちゃねちゃした具合になっていて強か不快だ。ギブスが溶けてきたのかと思ったがどうもそうではないらしい。綿棒を使って掻き出すと液状の垢らしきものが大量に取れる。白いチーズみたいなやつがいくらでもいくらでも…おぞましい。見なかったことにするも匂いは漂い続け存在を放ち続けていた。夜まで。いつまでもいつまでも。鼻栓が欲しい。
呉明益/雨の島
台湾の小説を読みたいと思っていたところに…
むせかえるような自然観が、緑の濃さが、また沖縄とも絶対的に違うんだよなあ。